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YANAI Lab.

電気通信大学 総合情報学科/大学院 総合情報学専攻 メディア情報学コース 柳井研究室
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Web画像ニュースの顔と人物名の対応付け

1 はじめに

現在,Web上には毎日大量のニュース記事が配信されており,それらを収集・蓄積したものは大変有用なニュースデータ ベースとなりえます.今日では,Webニュースはテキスト記事だけではなく画像を含む場合が多くなっています.画像は 文字だけではわかりにくい内容を視覚的に捉えることができるため,記事内容のさらなる理解の手助けとなります. これらの画像の中には人物が写っている場合が多くありますが,その人物が記事本文中のどの人物なのか一目でわからない ことがよくあります.そのような場合,画像の人物が誰なのか記事中から探すことになります.画像中の人物が1人や2人 ならこの作業は簡単ですが,複数人となると容易ではありません. そこで本研究では,画像中の人物の人物名を自動で提示できるように,Web画像ニュースから顔と人物名を取り出し,それら の対応付けを行うことを目標とします.

2 実験

2005年3月6日から2006年8月31日までの約1年半のYahoo!JAPANニュースを対象に、顔と人物名の対応付けを行いました。

3 結果

顔画像の検出にはフリーの画像認識ライブラリを使いました.これは検出速度は速いですが,検出エラーが少しあります. そこで画像認識手法の1つであるbag-of-keypoints手法を使い,間違って顔画像として検出されてしまった画像を除去 しました.結果は下の図のように大幅な改善が見られました.




下の顔画像は,Webニュース中の画像から自動的に顔を切り出すことによって収集した"小泉純一郎"の顔画像です.



ニュース記事の中からの人物名抽出と,顔画像認識技術を融合させることによって,Webニュース画像からの有名人顔自動抽出 が可能となりました. しかしながら,抽出された顔画像や人物名の数に対してそれらの対応付け結果の数は非常に少ないものとなってしまっています. 今後は対応付け結果の数を増やしていくことが必要となっています.

【参考文献】
・北原章雄,柳井啓司:Web画像ニュースの顔と人物名の対応付け, 情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア研究会,2007(PDF)
・Akio Kitahara, Taichi Joutou and Keiji Yanai:Associating Faces and Names in Japanese Photo News Articles on the Web,MAW-08,2008(PDF)